受験の仕組みカンタン解説

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難しい勉強をしたらダメ!進化論から考える勉強のコツ!「高校生の勉強法」

難しい勉強をしてはいけません

 

「そんな訳ない」

「ラッキー」

 

そう思いましたか?

 

進化論から考えると難しいと感じる勉強は効果的ではありません。

難しい問題を頑張って解くより、わかりやすい問題から徐々にレベルアップさせていく方が近道なのです。

 

なぜなのでしょうか?

 

脳科学の研究者が書いた「高校生の勉強法」という本から、効果的な勉強法をわかりやすく解説します。

 

この記事は「高校生の勉強法」解説の第四段です。

 

  

<前回の記事>

tutorial-tailor.hateblo.jp

 

 

【目次】

 

 

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進化論から学ぶ学習方法

 

脳の基本的な性質

ダーウィンの進化論を知っていますか?

 

動物は進化して今の姿になっており、人間も元々は下等生物だったというものです。

 

ダーウィンによれば、植物を含めた全ての生き物は同じ起源を持っています。

 

脳も同じで、初めは小さい生き物の中で生まれて進化しました。

人間の脳に進化していくまでに「生きていくのに直接関係ない機能」もたくさんつきました。

 

それに比べ動物の脳は、より生命に重要な機能だけで成り立っています。

 

動物の脳を調べることで人間の脳の本質的な性質がわかるということです。

 

 

学習には失敗にめげない気持ちが大切

犬は学習が得意です。

「お手」や「お座り」を学ぶことができます。

 

どのようにして学んでいるのでしょうか?

 

ある実験があります。

犬の前にテレビとレバーを置きます。

テレビの画面に「丸い図形」が映ったときに、犬がレバーを押すとエサがもらえるような仕掛けです。

 

犬はテレビもレバーもわからないので最初は戸惑います。

しかし偶然レバーを押したときに美味しいエサが出てきます。

 

この偶然が何回か続くと犬は「レバーを押すこと」と「エサをもらえること」の関係に気づきます。

学習の第一ステップです。

 

学習とは物事の関連に気づくことだと言えます。

英単語の暗記にしても「go」と「行く」の結び付けを行うことが学習です。

 

「レバーを押すこと」と「エサをもらえること」の関係に気づいた犬はどんな行動を取るでしょうか?

 

エサが欲しくてレバーをひたすら押すようになります。

しかし画面に「丸い図形」が映っているときにレバーを押さないとエサはもらえません。

 

犬は何度も失敗を繰り返してその関連性に気づきます。

最終的にその関連を理解するまで何十回、何百回と試行錯誤を繰り返します。

 

最初に偶然エサが出てきただけでは、なぜエサが出てきたかはわかりません。

何回も何回も失敗して初めてその関連性を理解するのです。

 

あなたの学習においても同じです。

テストで悪い点を取ったりケアレスミスをすることを繰り返して、より正確な記憶として残ります。

 

問題が解けなかったりテストで悪い点をとってもクヨクヨする必要はありません。

学習に必要なステップなのです。

次はどうやったら正解できるか考え何度もトライしましょう。

 

犬から学ぶ、早く学習する方法

ある方法で犬は早く学習することができます。

その方法を使うと人間も早く学習できるに違いありません。

 

どのような方法なのでしょうか?

 

教える手順を分解するのです。

 

先ほどの実験は犬にとって難しく、何百回も失敗する犬もいます。

 

なぜでしょう?

 

エサをもらうためには「レバー」と「画面」の二つの要因があるからです。

「画面に丸い図形が映る」ときに「レバーを押す」という二つのことを同時に学ぶのは難しいのです。

 

そこで二つの手順を分解して犬に教えます。

 

まず画面に関係なく、レバーを押すとエサがもらえるようにします。

すると犬はレバーとエサの関連に早く気づきます。

 

次にエサと画面の関連を学習させます。

 

このように二つのステップに分けると、犬は10分の1くらいの失敗で学習するようになります。

 

あなたも学習に役立てましょう。

いきなり難しい問題に取り組むのではなく、確実に学習手順を踏むことで失敗の数が少なくなります。

 

ちょっとできたからと言って応用問題に手を出すのではなく基礎を確実に身につけてから応用問題を説いたほうが効果的だということです。

 

スポーツでも同じです。

いきなり試合をするより素振りやドリブルなどの基礎練習をしたほうが上達が早くなります。

 

もし数学が苦手で学力が小学校レベルだったら、高校生向けの参考書を使ってもなかなか理解できず成績は上がりにくいでしょう。

余計なプライドを捨てて小学生用の計算ドリルから始めた方が最終的な勉強時間は少なくすむのです。

 

 

まずは得意教科を伸ばす

犬の実験には続きがあります。

 

 「三角の図形」も混ぜてランダムで映すようします。

 そうすると犬は、丸も三角も区別せずにレバーを押します。

 

犬は画面がついたときにレバーを押せばいいと学習していたのです。

 

しかし「丸い図形」のときにしかエサが出ないようにしていると、それも学習します。

 「丸」と「三角」の違いを理解したということです。

 

このような実験を繰り返すと「円」と「楕円」の違いや「正方形」と「長方形」の違いも理解できるようになります。

 

そして重要なのが「円」と「楕円」の違いを学習した犬は「正方形」と「長方形」の違いを早く学習できるようになります。

 

ある図形の細かい部分が見えるようになると他の図形の細かい部分が見えるようになるということです。

 

人間でも野球が上手い人はソフトボールの上達が早く、英語をマスターした人はフランス語を楽に習得できます。

 

ある分野の理解の仕方を覚えると、他の分野に対する理解の仕方までが上達するのです。

 

全ての教科を均等に勉強するよりも、ひとつの科目を究めてから他の科目に取りかかった方が効果的なのです。

 

テスト前は仕方ないですが普段の学習では、まず得意科目を伸ばすようにしましょう。

 

 

基礎的な学習の仕方がわかりました。

これらを繰り返していると天才と呼ばれる人に追いつけるのでしょうか?

 

なかなか、あの人たちにかなう気はしません。

 

根本的に脳が違うのでしょうか?

 

次回の記事では天才の理由と、天才に近づく方法を解説します。

 

 

今回紹介した「高校生の勉強法」のリンクを貼っておきます。

本ではより詳しく解説してあるので、ぜひ読んでみてください。

(当ブログに収益は発生しません。)

 

最新脳科学が教える 高校生の勉強法 東進ブックス https://www.amazon.co.jp/dp/4890852425/ref=cm_sw_r_cp_tai_0zAmFbMFAWTY5

 

 

<参考文献>

池谷裕二,高校生の勉強法,株式会社ナガセ,2002.

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進化論から学ぶ勉強法ほう