受験の仕組みカンタン解説

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英語が苦手なのはやり方の問題!単語帳は退屈ですぐ忘れる!『「超」勉強法』

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英語の「超」勉強法

英語を使えるようになりたくないですか?

 

「日本人だから英語なんていらない」なんて言っている時代ではありません。

英語は、受験、ビジネスでの取引、海外の友達とのコミュニケーションに使える最高のツールです。

 

本当は英語に憧れるけど、苦手だからと諦めていませんか?

 

あなたは英語の勉強法について考えたことはありますか?

正しく勉強しなければ力がつかないのは当たり前です。

 

単語帳をひたすら覚えていませんか?

退屈で続かない上に、すぐ忘れてしまいます。

 

今回紹介するのは丸暗記法です。

これは教科書を丸暗記する、それだけです。

簡単で確実な力が身に着きます。

 

具体的にはどのような方法なのでしょうか?

 

 

この記事は経済学者・野口悠紀雄さんの書籍『「超」勉強法』を参考にしています。

 

 

 

 

丸暗記法とは

最初に紹介しましたが、丸暗記法とは教科書を丸暗記する方法です。

 

単語の意味をひととおり辞書で調べて音読します。

難しい文法のことは考えず、暗記しようと特別な努力はしません。

大変そうですが、20回も音読すれば自然に覚えてしまいます。

 

20回読むのは時間がかかりますが、すきま時間にもできます。

読むだけです。

とても簡単な方法です。

 

暗記することで、その範囲の単語や文法が自然に身につきます。

 

 

実際にやってみたら、この方法の威力がわかります。

ケネディ大統領の演説を暗記してみましょう。

この程度をやってみないようでは英語力がつく訳ありません。)

 

 " There are few earthly things more beautiful than a university," wrote John Masefield in his tribute to the English universities ― and his words are equally true here. He did not refer to spires and towers, to campus greens and ivied walls. He admired the splendid beauty of the university, he said, because it was "a place where those who hate ignorance may strive to know, where those who perceive truth may strive to make others see."

 

(「この地上に、大学ほど美しいものはない」。ジョン・メイスフィールドは、イギリスの大学への賛辞の中で、こう述べている。この言葉は、ここにおいても正しい。彼は、尖塔やタワー、キャンパスの中庭や蔦に覆われた壁のことをいったのではない。彼が大学の至上の美しさを称えたのは、「そこは、無知を憎むものが知ろうと努める場であり、真理を知るものが他を啓蒙する場だから」である)

—『「超」勉強法』野口悠紀雄

 

 

教科書丸暗記法で重要なのは、楽なだけでなく効果が素晴らしいことです。

 

まず単語が楽に覚えられます。

「spire」=「尖塔」という言葉は、「spires and towers」というつながりを覚えていれば、決して忘れないはずです。 

 

また文において、ある箇所を思い出せば、後は自動的に思い出せたと思います。

つまり思い出しやすくなっているのです。

 

ある文が思い出せないとき、そこだけを覚えていれば思い出すのは難しいです。

しかし全文覚えていると、周りの文を思い出せば、それをきっかけにどんどん思い出すことができます。

 

 

丸暗記法には大きな欠点があります。

それは時間がかかることです。

一夜漬けには使えません。

 

言葉の学習に時間がかかるのは仕方のないことです。

重要なことは時間がかかっても確実に効果が上がる方法を見出すことなのです。

 

 

 

分解法とは

分解法とは主に学校で行われている方法です。

 

「This is a book.」という文を考えます。

 

 分解法の考え方は以下のようなものです。

・文を4単語に分解する。

・「this」=「これ」、「is」=「である」、「一つの」、「book」=「本」、と単語を確認する。

・「This」が主語、「is」がbe動詞で、「book」が補語になっているSVCの第3文系だと考える。

・英語に日本語を対応させて「これはペンです。」と訳す。

 

 

丸暗記法は「This is a book.」をひとかたまりのメッセージとして受け入れます。

日本語に置き換えることは一切しません。

 

その代わりに、人が本を指差している姿を想像します。

英語のメッセージに対応させるのは行為のイメージなのです。

 

  

そもそも英語と日本語は全く違います。

一対一で対応するようなものではありません。

 

「make 」は日本語で考えると様々な意味があります。

「作る」、「引き起こす」、「行う」、「〜させる」、、、

 

しかし英語のネイティブにとって「 make」は「make」なのです。

全ての英単語をいちいち日本語に対応させていては、きりがありません。

「make」は「make」としてイメージで受け取るしかないのです。

 

 

具体的に考えてみましょう。

あなたは外国人の友達に、日本語で文を書いたから直してと言われました。

「カッターに手を切られたことがあった。」という文をどのように直しますか?

 

文としては「カッターで手を切ったことがある。」などでいいでしょう。

大切なのはその時、どのように考えたかです。

 

まず何が言いたいかを捉え、「普通こう書くな」と感覚的に文を直したのではないでしょうか。

 

こんなふうに考えた方はいませんよね。

「カッターは無生物だから普通は主語にしない。『切られた』はその人の経験で、今もその経験は残っているから、過去形『あった』を現在系『ある』にする。」

 

言語とは論理的ではなく感覚的に捉えるものなのです。

 

英語でも同じです。

「こういう場合にどう書くか」は経験からの感覚で考えるものなのです。

 

その感覚を養うためには、たくさんの英文を読んで覚える、つまり暗記するしかないのです。

 

 

文法を覚えるのが無駄と言っているわけではありません。

ある程度英語を勉強していれば、理解し整理するのに非常に有効です。

英語に慣れてからルールを勉強すると「発見の喜び」もあります。

 

分解法は、英語を習得してから後で効果を発揮するのです。 

 

 

 

試験の英語

 丸暗記法を使うと本質的な力がつくことがわかったと思います。

 

ではテストではどうなのでしょうか?

 

期末テストはほぼ完璧です。

教科書を丸暗記しているので、単語・英文和訳・空欄補充、どれも怖いものはありません。

 

 

受験ではどうでしょうか?

入試に必要な単語は5000語と言われています。

教科書を全て覚えていれば、これらをカバーできます。

 

熟語や構文も教科書に出ないようなものは、まず出ません。

出題者は、教科書の内容をはるかに超えた問題を出すと批判されるので、慎重になっています。

 

仮に出たとしても、そこは諦めるべき部分です。

そんな対策をするぐらいなら他に時間を使うべきです。

他の受験生もわからないので差はつきません。

 

 

リスニング対策はどうしたらいいでしょうか?

重要なのは英語のリズムを正しく捉えることです。

 

入試のリスニングで出される問題は、内容も文章の構造もかなり優しく、通常会話よりゆっくり話しています。

特別な訓練は必要ありません。

 

教科書を暗記するときに付属のCDを聴きながらするといいのではないでしょうか。

 

 

 

まとめ

・英語の勉強は教科書を丸暗記すれば良い。20回音読すれば覚えられる。

・英語を分解して日本語に対応させるのは間違い。文法単体の勉強は、ある程度英語を習得してからが効果的。

・試験も教科書を丸暗記していれば十分。

 

 

 

<参考文献>

野口悠紀雄,「超」勉強法,講談社,2015.

https://www.amazon.co.jp/dp/B015FM7K0U/ref=cm_sw_r_cp_tai_5m.CFbGM1RMAH