受験の仕組みカンタン解説

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少ない復習でも定着する方法とは!?脳科学から考えた学習!「高校生の勉強法」

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「覚えるコツが知りたい」

「効果的な復習方法はないかな」

 

と思っているあなた、

学習を定着させるために復習は大切です。

 

より効果的、効率的に復習をする方法を知りたくありませんか?

 

脳科学の研究者が書いた「高校生の勉強法」という本から、効果的な記憶方法を解説します。

 

この記事は「高校生の勉強法」解説の第三弾です。

 

<前回の記事>

tutorial-tailor.hateblo.jp

 

 

 

効果的な記憶方法とは?(復習)

物事を記憶するかどうかは脳の海馬という部分が決めています。

判断基準は「生きていくために必要か」です。

 

英単語などは本能的に必要と判断されません。

しかし何回も記憶し直すことで、海馬は生きるために必要な情報と判断するようになります。

 

したがって学習において、復習が非常に大切です。

 

 

復習が必要な詳しい理由

何回も記憶し直すとなぜ記憶できるようになるのでしょうか?

 

感覚的には理解できますが、脳科学的な視点で解説をします。

 

「高校生の勉強法」解説の第一弾でも説明しましたが、脳の機能は神経細胞が作り上げています。

「高校生の勉強法」。覚えたことを忘れるのはなぜ?長い間覚えておくためには! - 受験の仕組みカンタン解説

 

脳の海馬に電極を刺して繰り返し刺激するという実験があります。

どうなるでしょう?

 

神経細胞同士の結びつきが強くなるのです。

時間が経っても結合は強いままです。

 

繰り返し刺激を与えることで神経細胞は活性化されるということです。

 

これは長期増強(LTP:long-term potentiation)と呼ばれています。

 

学習においては、復習をすることで繰り返しの刺激が脳の海馬に与えられ、記憶として定着します。

 

LTPを起こすためには何度も何度も繰り返して刺激することが大切です。

 

次章では繰り返し回数を少なく済ませる方法を解説します。

 

 

効率的な復習方法

脳科学の観点から、LTPを起こすため復習が必要であることがわかりました。

 

では効率的に復習する方法はないのでしょうか?

 

二つの秘訣をお教えします。

 

好奇心を持つ

LTPを起こすための秘訣の一つは好奇心を持つです。

 

脳科学的にはシータ波という脳波が出ている状態だとLTPが起きやすくなります。

シータ波は好奇心の象徴で、初めてのものに出会ったり、道の場所に来たりすると自然に脳に生じます。

 

シータ波が出ていると少ない回数の刺激でLTPが起こります。

うまく刺激すると、繰り返す回数が5分の1から10分の1に減らすことができます。

 

興味を持っていることは復習回数が少なくても覚えられるということです。

 

あなたも初体験の出来事や好きなアーティストの趣味などはよく覚えていませんか?

 

勉強をつまらないと思っていると復習の回数が余分にかかります

これでは続けられませんし、覚えられもしません。

 

世の中のことは、どんなことでも奥深いものです。

外からぼんやり眺めている他人には、そのおもしろさが分かりません。

 

あなたの趣味や好きな人のことを、何も知らない人から「つまらない」と言われたらどう思いますか?

 

「よく知ってから判断しろ」

「最初から否定的に見るな」

となりますよね。

 

勉強を初めからつまらないものと考えるのではなく、おもしろさを探してみましょう。

 

勉強するのが楽しくなりLTPも起こって、いいことだらけなのです。

 

 

感情移入する

LTPを起こりやすくする秘訣のもう一つは感情移入するです。

 

脳科学的には扁桃体という脳の神経細胞を活動させるとLTPが起きやすくなります。

扁桃体は感情を生み出しています。

 

感情が盛んなときには物事が覚えやすいということです。

 

あなたが昔のことで覚えていることは、楽しかった行事や悲しかった事件など感情が絡んでいることではないですか?

 

例えば「1815年、ナポレオンはセントーヘレナ島に流された」ということは丸暗記するのではなく、感情を交えて覚えましょう

数々の作戦に失敗したナポレオンの無念さを実際に思い浮かべ、島流しの刑を自分が受けているように嘆かわしく思えば、脳は自然に記憶しようとします。

 

LTPを起こすシータ波(興味)と扁桃体(感情)という二つの秘訣を適切に使って勉強することが効率よく学習できるコツです。

 

 

脳の性質を使った勉強方法はまだまだあります。

今回は感情など、より人間的な部分について解説しました。

 

あなたの脳には動物的な部分も多くあります。

次の記事では動物の脳が持っている基本的な性質から最適な学習方法を考えます。

 

 

今回紹介した「高校生の勉強法」のリンクを貼っておきます。

本ではより詳しく解説してあるので、ぜひ読んでみてください。

(当ブログに収益は発生しません。)

 

最新脳科学が教える 高校生の勉強法 東進ブックス https://www.amazon.co.jp/dp/4890852425/ref=cm_sw_r_cp_tai_0zAmFbMFAWTY5

 

 

<参考文献>

池谷裕二,高校生の勉強法,株式会社ナガセ,2002.

 

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効率的な復習方法