受験の仕組みカンタン解説

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脳科学から考える効果的な記憶方法!忘れやすくなる方法で記憶してない?「高校生の勉強法」

「私は記憶するのが苦手」

「覚えてもすぐ忘れる」

 

そう思っているあなたへ、

あなたも勉強が得意な友達も、忘れる速度は一緒だと知っていましたか?

 

脳科学の研究者が書いた「高校生の勉強法」という本から、効果的な記憶方法を解説します。

 

この記事は「高校生の勉強法」解説の第二弾です。

 

<前回の記事>

tutorial-tailor.hateblo.jp

 

 

【目次】

 

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覚えやすい記憶方法


 

なぜ忘れるのか?(復習)

勉強内容を覚えられなかったり、覚えたつもりでもすぐ忘れるのはなぜでしょうか?

 

それは脳がパンクしないように必要な情報不必要な情報を仕分けしているからです。

 

必要かどうかの判断基準は生きるために必要かです。

英単語などは生きるために必要ないと判断されるため、なかなか覚えられません。

 

勉強内容を覚えるためには脳をダマして、生きるために必要だと思わせる必要があります。

 

具体的にはどうすればいいのでしょうか?

 

記憶がなくなるまで

人によって忘れる速度は違いません。

 

ドイツの心理学者エビングハウスが100年以上前に行った有名な実験から明らかになっています。

 これは無意味な単語をどのくらい覚えられるかという実験です。

 

書籍「高校生の勉強」では、あなたも挑戦できるテストが載っているので、ぜひチャレンジして見てください。

 

この実験では単語を忘れる速度は人によって違わないということがわかっています。

 

また、この実験では単語が時間と共にどのように忘れられていくかがわかりました。

 

忘却曲線と呼ばれています。

 

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忘却曲線

時空先生のドリルプリントより、
https://www.jikuukan.ac/web/guide/aex1.php

 

グラフを見ると、忘れていくのは一定の速度でないことがわかります。

覚えた直後が一番忘れやすいです。

 

そこで残った記憶は長持ちするようで、ゆるやかに忘れていきます。

 

これが一夜漬けの勉強をすぐ忘れてしまう理由です。

 

 

忘れるのが早くなる覚え方

誰でも忘れる速度が同じというのは信じられませんよね。

覚えるのが得意な人と苦手な人の違いはなんでしょうか?

 

実は効果的な覚え方と効果的でない覚え方があります。

覚えることの得意・不得意は能力の差ではなく覚え方の差だということです。

 

具体的にはどのような方法でしょう?

 

この章では忘れやすい覚え方を教えします。

 

忘れるのが早まる一番大きな原因は新しい記憶を追加することです。

無理に知識を詰め込もうとすると忘れやすくなるということです。

 

最初に覚えようとしたことだけでなく、新しく覚えたことも忘れやすくなります。

 

必要以上に情報を詰め込むと覚えが悪くなるということです。

 

これは記憶の干渉と呼ばれるものです。

 

記憶とは独立しているのではなく、お互いに影響し合っています。

お互いに結びつけ合うこともあれば、排除し合うこともあります。

 

不用意に大量の知識を詰め込もうとすると記憶が曖昧になったり混乱したりします。

 

古文の授業で、

「明日までに百人一首を全部覚えてこい、テストする」

と言われたら、全部覚えようとするより30個に絞って覚えたほうがいい点が得られます。

 

普段の勉強でも、1日に新しい知識を詰め込むのはやめましょう。

 

 

忘れにくくなる方法

忘れやすい記憶方法はわかりました。

では忘れにくくなる方法はなんでしょうか?

 

それは繰り返すことです。

 

当たり前だと思いましたか?

 

それが科学から考えた効果的な方法なのです。

理由はわかりますか?

 

英単語を覚えても、いつかは全て忘れます。

 

完全に脳から消え去ったのでしょうか?

また最初からやり直しなのでしょうか?

 

そんなことはありません。

 

全く同じ単語を暗記し直しましょう。

そうすると前回よりも長く覚えられるようになります。

 

2回目に覚えた単語をまた忘れても、3回目に覚え直したらもっと忘れにくくなります。

 

忘れるということは、記憶が脳に残っているのに引き出せないということです。

何回も繰り返すことで引き出しやすくなるのです。

 

勉強においては復習がとても大切だということがわかります。

 

ではどのタイミングで復習をするのが効果的なのでしょうか?

 

忘れていても記憶が脳に残っていると書きましたが、保存期間があります。

それは1ヶ月です。

 

最低でも1ヶ月以内に復習をしないと、効果がかなり薄くなります。

 

脳科学から考えた最も効果的な復讐のプランは次のようになります。

 

1回目:学習した翌日

2回目:1回目の復習から1週間後

3回目:2回目の復習から2週間後

4回目:3回目の復讐から1ヶ月後

 

これ以上やる必要はありません

2ヶ月のうちに4回の復習です。

 

むやみに復習をするくらいなら、その時間を他の勉強に使いましょう。

 

復習の効果は同じものに対して起こります。

 同じ科目でも参考書が変われば最初から覚え直しになります。

同じ参考書を何度も繰り返すのが効果的な方法です。

 

 

眠る必要性

「寝る間を惜しんで勉強する」というと、勉強する人の鏡のように思えます。

 

そんなに頑張れませんか?

 

頑張る必要はありません。

脳科学から考えると、新しい知識を身につけるときは6時間以上眠ることが欠かせません。

 

なぜ眠らないといけないのでしょうか?

 

夢を見ている間、脳の一部である海馬は盛んに働いています。

夢は記憶の再生です。

 

夢で見るような変な記憶をした覚えはないですか?

 

それは複数の記憶の断片が組み合わさって夢ができているからです。

睡眠中に様々な情報を組み合わせ、整理しているのです。

 

眠らないということは海馬に整理する時間を与えないということです。

整理できない情報はすぐに廃棄されてしまいます。

 

寝るというのは覚えたことを保つために必要な行為です。

 

学習の基本は「覚えられる範囲だけを確実に覚え、あとは寝る」ということです。

 

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覚えやすい記憶方法

 

 

覚えやすくする方法はまだまだあります。

それは次回の記事で紹介します。

 

 

今回紹介した「高校生の勉強法」のリンクを貼っておきます。

ためになる本なのでぜひ読んでみてください。

(当ブログに収益は発生しません。)

 

最新脳科学が教える 高校生の勉強法 東進ブックス https://www.amazon.co.jp/dp/4890852425/ref=cm_sw_r_cp_tai_0zAmFbMFAWTY5

 

 

<参考文献>

池谷裕二,高校生の勉強法,株式会社ナガセ,2002.