「高校生の勉強法」。覚えたことを忘れるのはなぜ?長い間覚えておくためには!
「英単語が覚えられない。」
「歴史が頭に入らない。」
あなたにはそういった悩みがありませんか?
そもそも記憶とはなんでしょうか?
どうして忘れてしまうのでしょうか?
脳科学の観点から勉強法を考えた「高校生の勉強法」という本をわかりやすく解説します。
中学生まで得意だった丸暗記ができなくなったのは、脳の得意な分野が変わったからです。
歳をとるにつれて論理だった記憶能力が発達します。
このとき効率的な勉強方法はどんなものなのでしょうか?
今回の記事ではそもそも記憶とは何かを解説します。
【目次】
記憶とは
そもそも記憶とはなんでしょうか?
記憶の正体は「新たな神経回路の形成」です。
人間の脳の中には1000億個もの神経細胞があり、それぞれがつながって神経回路を作っています。
新しい体験をすると、今までになかった神経回路が刺激され、記憶として残ります。
人間の脳には短期記憶と長期記憶があります。
名前の通り短期記憶は短い間だけ記憶でき、長期記憶は長い間記憶できます。
長期記憶はたくさんの情報を記憶することができます。
しかし記憶するだけではダメで必要なときに取り出さないといけません。
このとき使われるのが短期記憶です。
短期記憶とは長期記憶から情報を引き出したり、長期記憶に情報を保存したりするための一時的な保管場所です。
「あなたの小学生の頃を思い出して」と言われると頭の中にイメージできます。
しかし言われるまでは小学生の頃のことなんて考えてなかったはずです。
イメージできていなくてもどこかに記憶されています。
これが長期記憶です。
小学生の頃を思い出しているときは長期記憶から短期記憶に取り出された状態です。
記憶を脳に長期間たくわえるためには短期記憶を経由しなければなりません。
短期記憶は覚えられる量も少なく忘れやすいと言う欠点があります。
ヤカンでお湯を沸かしている時に友達から電話がかかってきて盛り上がると、ヤカンのことは忘れてしまいます。
ヤカンは一時的な記憶で短期記憶に保存されているだけだからです。
長期記憶を作るには短期記憶の使い方が鍵になります。
なぜ忘れるの?
人間はなぜ忘れるのでしょうか?
全て覚えておけば暗記に苦労することはありません。
脳の記憶できる容量はそれほど多くありません。
今あなたが見たり聞いたりしている全ての情報を入れると5分ほどでパンクすると言われています。
だから「必要な情報」と「必要でない情報」の仕分けをします。
この仕分けをするのが脳の海馬という場所です。
海馬はタツノオトシゴという意味でそのような形をしています。
海馬が「必要な情報」と判断すると長期記憶になります。
しかし簡単には「必要な情報」と判断されません。
判断基準は生きていくために必要な情報かどうかだからです。
英単語は、「嫌な匂いのするものを食べたら食中毒を起こす」という情報に比べて、生きていくために必要と判断されにくいです。
また脳は人間が消費するエネルギーの25%を使います。
脳の重さは体重の2%ということを考えるとかなりエネルギーを消費することがわかります。
したがって無駄なエネルギーを使わないよう、余計な情報は覚えないようにしています。
これらの理由から、人間は簡単に記憶できないことがわかると思います。
海馬に「必要な情報」と判断してもらうにはどうしたらいいでしょうか?
それは、できるだけ情熱を込めて何度も何度も情報を送り続けることです。
そうすると海馬は「こんなに同じ情報が来るということは重要な情報に違いない」と判断します。
忘れたらまた覚えて、また忘れたら再び覚え直すということです。
結局、何度も復習をするというのが学習の基本なのです。
そんな中でも覚える際のコツというのはあります。
頭がいい人はこれを行なっています。
その内容は次回の記事で書かせていただきます。
今回紹介した「高校生の勉強法」のリンクを貼っておきます。
ためになる本なのでぜひ読んでみてください。
(当ブログに収益は発生しません。)
最新脳科学が教える 高校生の勉強法 東進ブックス https://www.amazon.co.jp/dp/4890852425/ref=cm_sw_r_cp_tai_0zAmFbMFAWTY5
<参考文献>
池谷裕二,高校生の勉強法,株式会社ナガセ,2002.