受験の仕組みカンタン解説

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英語が苦手なのはやり方の問題!単語帳は退屈ですぐ忘れる!『「超」勉強法』

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英語の「超」勉強法

英語を使えるようになりたくないですか?

 

「日本人だから英語なんていらない」なんて言っている時代ではありません。

英語は、受験、ビジネスでの取引、海外の友達とのコミュニケーションに使える最高のツールです。

 

本当は英語に憧れるけど、苦手だからと諦めていませんか?

 

あなたは英語の勉強法について考えたことはありますか?

正しく勉強しなければ力がつかないのは当たり前です。

 

単語帳をひたすら覚えていませんか?

退屈で続かない上に、すぐ忘れてしまいます。

 

今回紹介するのは丸暗記法です。

これは教科書を丸暗記する、それだけです。

簡単で確実な力が身に着きます。

 

具体的にはどのような方法なのでしょうか?

 

 

この記事は経済学者・野口悠紀雄さんの書籍『「超」勉強法』を参考にしています。

 

 

 

 

丸暗記法とは

最初に紹介しましたが、丸暗記法とは教科書を丸暗記する方法です。

 

単語の意味をひととおり辞書で調べて音読します。

難しい文法のことは考えず、暗記しようと特別な努力はしません。

大変そうですが、20回も音読すれば自然に覚えてしまいます。

 

20回読むのは時間がかかりますが、すきま時間にもできます。

読むだけです。

とても簡単な方法です。

 

暗記することで、その範囲の単語や文法が自然に身につきます。

 

 

実際にやってみたら、この方法の威力がわかります。

ケネディ大統領の演説を暗記してみましょう。

この程度をやってみないようでは英語力がつく訳ありません。)

 

 " There are few earthly things more beautiful than a university," wrote John Masefield in his tribute to the English universities ― and his words are equally true here. He did not refer to spires and towers, to campus greens and ivied walls. He admired the splendid beauty of the university, he said, because it was "a place where those who hate ignorance may strive to know, where those who perceive truth may strive to make others see."

 

(「この地上に、大学ほど美しいものはない」。ジョン・メイスフィールドは、イギリスの大学への賛辞の中で、こう述べている。この言葉は、ここにおいても正しい。彼は、尖塔やタワー、キャンパスの中庭や蔦に覆われた壁のことをいったのではない。彼が大学の至上の美しさを称えたのは、「そこは、無知を憎むものが知ろうと努める場であり、真理を知るものが他を啓蒙する場だから」である)

—『「超」勉強法』野口悠紀雄

 

 

教科書丸暗記法で重要なのは、楽なだけでなく効果が素晴らしいことです。

 

まず単語が楽に覚えられます。

「spire」=「尖塔」という言葉は、「spires and towers」というつながりを覚えていれば、決して忘れないはずです。 

 

また文において、ある箇所を思い出せば、後は自動的に思い出せたと思います。

つまり思い出しやすくなっているのです。

 

ある文が思い出せないとき、そこだけを覚えていれば思い出すのは難しいです。

しかし全文覚えていると、周りの文を思い出せば、それをきっかけにどんどん思い出すことができます。

 

 

丸暗記法には大きな欠点があります。

それは時間がかかることです。

一夜漬けには使えません。

 

言葉の学習に時間がかかるのは仕方のないことです。

重要なことは時間がかかっても確実に効果が上がる方法を見出すことなのです。

 

 

 

分解法とは

分解法とは主に学校で行われている方法です。

 

「This is a book.」という文を考えます。

 

 分解法の考え方は以下のようなものです。

・文を4単語に分解する。

・「this」=「これ」、「is」=「である」、「一つの」、「book」=「本」、と単語を確認する。

・「This」が主語、「is」がbe動詞で、「book」が補語になっているSVCの第3文系だと考える。

・英語に日本語を対応させて「これはペンです。」と訳す。

 

 

丸暗記法は「This is a book.」をひとかたまりのメッセージとして受け入れます。

日本語に置き換えることは一切しません。

 

その代わりに、人が本を指差している姿を想像します。

英語のメッセージに対応させるのは行為のイメージなのです。

 

  

そもそも英語と日本語は全く違います。

一対一で対応するようなものではありません。

 

「make 」は日本語で考えると様々な意味があります。

「作る」、「引き起こす」、「行う」、「〜させる」、、、

 

しかし英語のネイティブにとって「 make」は「make」なのです。

全ての英単語をいちいち日本語に対応させていては、きりがありません。

「make」は「make」としてイメージで受け取るしかないのです。

 

 

具体的に考えてみましょう。

あなたは外国人の友達に、日本語で文を書いたから直してと言われました。

「カッターに手を切られたことがあった。」という文をどのように直しますか?

 

文としては「カッターで手を切ったことがある。」などでいいでしょう。

大切なのはその時、どのように考えたかです。

 

まず何が言いたいかを捉え、「普通こう書くな」と感覚的に文を直したのではないでしょうか。

 

こんなふうに考えた方はいませんよね。

「カッターは無生物だから普通は主語にしない。『切られた』はその人の経験で、今もその経験は残っているから、過去形『あった』を現在系『ある』にする。」

 

言語とは論理的ではなく感覚的に捉えるものなのです。

 

英語でも同じです。

「こういう場合にどう書くか」は経験からの感覚で考えるものなのです。

 

その感覚を養うためには、たくさんの英文を読んで覚える、つまり暗記するしかないのです。

 

 

文法を覚えるのが無駄と言っているわけではありません。

ある程度英語を勉強していれば、理解し整理するのに非常に有効です。

英語に慣れてからルールを勉強すると「発見の喜び」もあります。

 

分解法は、英語を習得してから後で効果を発揮するのです。 

 

 

 

試験の英語

 丸暗記法を使うと本質的な力がつくことがわかったと思います。

 

ではテストではどうなのでしょうか?

 

期末テストはほぼ完璧です。

教科書を丸暗記しているので、単語・英文和訳・空欄補充、どれも怖いものはありません。

 

 

受験ではどうでしょうか?

入試に必要な単語は5000語と言われています。

教科書を全て覚えていれば、これらをカバーできます。

 

熟語や構文も教科書に出ないようなものは、まず出ません。

出題者は、教科書の内容をはるかに超えた問題を出すと批判されるので、慎重になっています。

 

仮に出たとしても、そこは諦めるべき部分です。

そんな対策をするぐらいなら他に時間を使うべきです。

他の受験生もわからないので差はつきません。

 

 

リスニング対策はどうしたらいいでしょうか?

重要なのは英語のリズムを正しく捉えることです。

 

入試のリスニングで出される問題は、内容も文章の構造もかなり優しく、通常会話よりゆっくり話しています。

特別な訓練は必要ありません。

 

教科書を暗記するときに付属のCDを聴きながらするといいのではないでしょうか。

 

 

 

まとめ

・英語の勉強は教科書を丸暗記すれば良い。20回音読すれば覚えられる。

・英語を分解して日本語に対応させるのは間違い。文法単体の勉強は、ある程度英語を習得してからが効果的。

・試験も教科書を丸暗記していれば十分。

 

 

 

<参考文献>

野口悠紀雄,「超」勉強法,講談社,2015.

https://www.amazon.co.jp/dp/B015FM7K0U/ref=cm_sw_r_cp_tai_5m.CFbGM1RMAH

勉強方法を変えろ!やみくもな勉強では伸びない!『「超」勉強法』

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「超」勉強法概要

 

勉強はノウハウです。

 

野球で適切な投球フォームがあるように、

ピアノで正しい指使いがあるように、

勉強にも身につきやすい方法というものがあります。

 

あなたは適切な勉強方法について考えたことはありますか?

 

思いっきり投げるだけでは速い球は投げられません。

ガリガリ勉強するだけでは身につきません。

 

人に教わらなくても分かってしまう天才も世の中にはいるでしょう。

しかしあなたが「いまいち勉強ができない」と思うなら、勉強方法を見直してみましょう。

 

 

 

 

「超」勉強法の基本三原則とは

そもそも勉強とは何でしょうか?

 

勉強とは先人が残したものを習得することです。

しかも理解しやすいようにキレイにまとめられています。

 

創造力や発想力は求められていません。

既にあるものを習得するので、やり方さえ間違えなければ誰にでもできるのです。

 

勉強のノウハウに対し、「それは勉強の本質ではない」というような批判もありますが、

勉強が苦手なら、とにかく結果を出すことで勉強嫌いから抜け出すことが大切です。

 

では勉強のノウハウについて3つの原則を紹介します。

(1)おもしろいことを勉強する

(2)全体から理解する

(3)8割分かったら先に進む

 

では詳しくみていきましょう。

 

 

おもしろいことを勉強する

あなたは勉強に対してどんなイメージを持っていますか? 

 

つらいとか我慢するものだと思っていませんか?

 

勉強は本来、楽しいものです。

好奇心が満たされると誰でも楽しく思います。

理解が深まると、喜びを感じます。

 

好きなスポーツ選手やアイドルのことは簡単に覚えられませんか?

興味があれば深く知ること自体が楽しいのです。

 

ではなんで勉強は楽しくないのでしょうか?

 

その原因の多くは、学校教育で好奇心を刺激されないということです。

知識を身につけることが優先され、おもしろさを伝えられる機会がほとんどないのです。

 

だから自分で興味を持てるように勉強するしかありません。

 

英単語の暗記がおもしろくないなら、長文を解く中で覚える。

歴史の教科書がつまらないなら、歴史物の漫画から入る。

 

我慢して勉強するという考え方を変えましょう。

つまらないなら方法や対象を変えて、勉強を面白いものにしましょう。

 

知識を増やすことも、勉強をおもしろくする方法の一つです。

人間はある程度知っていることについて新しい情報が得られると、興味を抱きます。

 

飛行機の窓から見える景色では、知らない町より、知っている町の方が興味が出るでしょう。

 

知識が増えると興味が増します。

そしてより深く学びたくなるのです。 

 

興味と知識は連鎖的に広がります。

勉強において、このような連鎖を広げていくことが重要です。

 

全体から理解する

基礎は重要だからコツコツと積み上げないといけないと思っていませんか?

 

確かに基礎は大切ですが、必ずしも一歩ずつ進む必要はありません。

 

基礎は退屈で難しいことが多いです。

そんな基礎を積み重ねるのではなく、まずは全体を把握して、そこから細かい部分を理解するという方法です。

 

物事には繋がりがあります。

難しい論文でも全体像を把握することで理解しやすくなります。

 

細かい部分を積み上げるのではなく、全体を把握して部分を理解してみましょう。

 

また理解しやすいという他に重要な点を把握できるというメリットもあります。

 

最初に全体を理解しておくことで、どこが重要かがわかり、その勉強に力を入れることができます。

 

 

8割を理解して進める

試験問題を解く場合、一つの問題に掛り切りになるのではなく、一応の答えを書いておいて時間があれば後から戻ってくる。

これは誰もがやっていることでしょう。

 

勉強一般にも同じことが言えます。

 

まず8割までをやり、それができたら別のことに移るのです。

一般的に残りの2割は難しく、努力に見合った成果が得られないことが多いです。

 

これは中途半端にやめていいというわけではありません。

8割まではやり遂げることが重要です。

 

ではどこまでが8割なのでしょうか?

 

試験の場合は、検算やスマートな解法が残りの2割です。

しかし実際の勉強では、8割の判断は難しいです。

 

この判断ができるためには全体を把握している必要があります。

第2原則はこの意味でも重要なのです。

 

また同じ分野でも、基礎を8割理解したら応用問題に移りましょう。

基礎を完璧にしようとすると、いつになっても進めません。

 

時間があれば後から戻ってきて10割に仕上げればいいのです。

 

 

ノウハウと意欲

これまでにノウハウについて書いてきました。

もう一つ重要なのは意欲です。

 

具体的な目標を持っていると勉強の意欲はとても強くなります。

勉強とは、目標と現状との差を埋めるものだからです。

 

勉強を、やらされるものと思っていては意欲を持って勉強できません。

 

目標は具体的でなければいけません。

なんとなく勉強ができるようになりたいでは続きません。

 

受験生であれば志望校を具体的に決め、キャンパスを歩いている自分の姿をイメージしましょう。

 

英語を習得したいのなら、海外を飛び回り、英語を駆使してビジネスを進める自分の姿を想像しましょう。

 

 

また勉強の機会があることに感謝しましょう。

 

日本は、勉強すれば夢と現実の差を縮められる社会です。

階級差が厳しい社会や発展途上国ではそうはいきません。

 

生まれで職業が決まる社会が実際に存在します。

勉強するだけで夢を叶えられるというのは恵まれた環境なのです。

 

 

<参考文献>

野口悠紀雄,「超」勉強法,講談社,2015.

https://www.amazon.co.jp/dp/B015FM7K0U/ref=cm_sw_r_cp_tai_5m.CFbGM1RMAH

 

天才になる方法!脳科学から考える!「高校生の勉強法」

「記憶するが苦手」

「あの人は、なんであんなに記憶力がいいんだろう」

 

そう思ったことはありませんか?

 

将棋の棋士は100手以上の棋譜をわけもなく覚えます。

何十局もです。

 

天才だからできるのでしょうか?

 

彼らは普段から記憶力が並外れていいわけではありません。

 

どのような秘密があるのでしょうか?

 

それは方法記憶と言って「そのもの」ではなくて「やり方」を覚えているからなのです。

 

脳科学者が書いた「高校生の勉強法」と言う本から、

効果的な記憶方法を解説します。

 

この記事は「高校生の勉強法」解説の第五段、最終章です。

 

 

<前回の記事>

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天才の記憶方法

 

 

思い出しやすい記憶

 

あなたの「過去の記憶」をなんでもいいので具体的に思い出してください。

 

通学中のケガ、テストでの満点、恋人とのケンカ、、、。

 

次々と思い出せるはずです。

 

これらの記憶には共通点があります。

なんでしょうか?

 

全てあなたが経験したことだということです。

 

当たり前だと思いましたか?

 

しかし数学の公式や英単語は思い出さなかったと思います。

これらも過去に蓄えられた記憶なのにです。

 

実は「自由に思い出せる記憶」と「きっかけがないと思い出せない記憶」があります。

 

自由に思い出せる記憶を経験記憶、きっかけがないと思い出せない記憶を知識記憶と言います。

 

しかしあなたが覚えたいと思っていることは、ほとんどが知識記憶です。

知識記憶は思い出しにくいです。

 

ではどうすればいいでしょう?

 

覚えたい内容を経験知識として覚えればいいのです。

 

経験記憶は自在に思い出せるだけでなく、覚え込むことも楽です。

自分に関係するエピソードはカンタンに覚えられますよね?

 

 

思い出しやすい記憶にするためには

経験記憶で覚えると思い出しやすいことがわかりました。

 

ではどうすればいいのでしょうか?

 

同じ参考書を何度も使っていると「あっ、これは何ページくらいに絵で説明されていたところだ!」とわかることがあります。

 

「あのお菓子を食べている時にやったことだ」とお菓子の絵柄が思い浮かぶこともあります。

 

これらは偶然ではありません。

 

単純な記憶でも、他のものと関連づければ経験記憶に近づくと言うことです。

 

「今朝、卵焼きを食べた」と言うとても単純な記憶でも、卵焼きの味・匂い・色・椅子の感覚・家族の会話など多くの要素が絡み合って一つの記憶を作っています。

 

こんなに関連づけられていれば思い出しやすくて当たり前です。

 

英単語を覚えるときも、丸暗記をするのではなく例文や用法、語源などと覚えると役立つ知識になります。

 

語呂合わせも有効な記憶方法です。

 

また想像することは脳を強烈に刺激します。

想像しながら覚えると、物事を関連づけながら脳が刺激されます。

 

何かを覚えるときはあなたの経験と結びつけて想像しながら覚えると「経験記憶」となり覚えやすくなります

 

 

経験記憶の作り方

カンタンに経験記憶を作る方法があります。

 

なんでしょうか?

 

覚えたい情報を友達や家族に説明してみることです。

 

「あのとき説明した」「こんな図を書きながら教えた」というように、経験となり思い出しやすくなるのです。

 

また説明することで自分が理解できているか確かめることができます。

自分がきちんと理解できていなければ説明できるはずがありません。

 

しかし経験記憶には弱点があります。

 

それは次第に知識記憶に置き換わってしまうということです。

 

考えれば、どんな知識も始めは経験があって蓄えられました。

時間と共に経験部分が削がれ知識記憶になるのです。

 

重要な知識はときどき人に説明し、経験記憶として鍛え直す必要があります。

 

 

もう一つの記憶の種類

記憶には「知識記憶」と「経験記憶」以外にもう一つあります。

 

何かわかりますか?

 

自転車の乗り方や服の着方などの記憶です。

「物事の手順」や「やり方」などで、「方法記憶」と呼ばれています。

 

知識記憶と経験記憶は「頭で覚える記憶」で方法記憶は体で覚える記憶です。

 

方法記憶には二つの重要な特徴があります。

 

一つ目は無意識に作られるということです。

スキーの滑り方は何度もやっているうちに自然と身につきます。

 

二つ目は強固で忘れにくいということです。

自転車の乗り方は長年乗っていなくても自然と思い出せます。

 

 

魔法の記憶法

方法記憶は「魔法の記憶」とも言われています。

 

英語を習得した人はフランス語をマスターしやすくなります。

これは言語をマスターする「方法」を記憶したからです。

 

方法記憶は無意識に記憶されます。

いつでも勝手に作動しているのです。

 

方法記憶は知らず知らずのうちに絶大な威力を発揮します。

 

将棋やチェスの名人は試合の後で、対局中に駒がどう動いたか100手以上を完全に再現できます。

それどころか過去の何十試合分でさえ完璧に記憶していると言います。

自分の経験に関係のない他人の試合も、記録を見ただけで覚えてしまいます。

 

彼らは記憶の天才なのでしょうか?

 

「7六歩、8四歩、7八金、8五歩、7七角、、、」と丸暗記しようと思ったら相当大変です。

 

実際は「方法記憶」を使って覚えています。

対局中に出現した盤面をパターン化して記憶しているのです。

無意識のうちに「法則性」を見抜いています。

 

その証拠に素人が適当に並べた盤面は名人でも記憶できません。

今までの経験で蓄えてきた方法記憶が使えないからです。

 

一見「天才的」と見える能力は、どんな場合でも方法記憶が源になっています。

 

数学が得意な人は問題の解き方がヒラメクと言います。

これも方法記憶で、問題の内容を理解して設問パターンを正確に類型化することで、正しいヒラメキが得られます。

 

丸暗記ではそのこと自体しか覚えられません。

しかし方法記憶では関連するいくつもの内容に使うことができます。

 

数学では公式の原理を理解することで応用できます。

公式を丸暗記するだけでは、その公式を使って問題を解くのは難しいのです。

 

社会でも歴史的な事実や世界の国々の経済状況、時代背景、人々の考え方に目を向けることで根底ではつながっていることに気づけます。

 

天才とは方法記憶を使って要領よく記憶している人です。

個々の神経細胞の性能は誰のものであっても全く差はありません。

 

知識記憶に時間を浪費するのはやめて、方法記憶にその労力を振り分けましょう。

 

 

努力の継続

最後に、なぜ人は天才になれるのかを教えます。

 

同じ人間なのに、なぜここまで差が出るのでしょうか?

 

ここまで習った復習です。

 

Aを学習したとします。

すると同時に「Aの理解の仕方」という方法記憶も脳に保存されます。

 

次にBを覚えようとします。

すると「Aの理解の仕方」が無意識にBの理解を補助して、カンタンにBを記憶できます。

このとき「Bの理解の仕方」も自動的に脳に保存されます。

 

さらには新たに覚えた「Bの理解の仕方」が、既に習得したAの理解をさらに深めます。

 

「A」と「B」の二つを覚えると、「A」、「B」、「AからみたB」、「BからみたA」という4つの効果が生まれるのです。

覚えた内容は2つでも、実際の効果は4つになるのです。

2の2乗です。

 

次々新しいことを覚えると効果は雪だるま式に増えていきます。

1、2、4、8、、、のように成績が伸びるのです。

 

あなたは今、成績1のスタート地点にいるとします。

成績1000の人は天才に見えるでしょう。

 

あなたは猛勉強し、レベルアップすると成績が2になります。

さらに猛勉強してレベルアップすると今度は成績が4になります。

努力を続けていくと、成績は8、16、32とどんどん上がっていきます。

 

しかし猛勉強を続けたのに、成績1000の人と比べると全然成績が上がっていないように感じます。

 

「私には才能がない」

と感じるかもしれません。

 

しかしそれは才能がないからではありません。

なぜなら忍耐強く勉強を繰り返せば成績はその後、64、128、256、512とみるみる上昇していくからです。

 

ここまで血のにじむような努力をして初めて勉強の成果が現れるのです。

勉強の成果はすぐには現れません。

 

「努力の継続」こそが、最も大切な勉学の心得なのです

 

実際には勉強を開始してから効果が現れ始めるまでに、どんなに早くても3ヶ月はかかります。

なかなか成績が上がらなくてもクジけてはいけません。

 

 

  “夢を持ち続けていれば、いつか必ずそれを実現する時が来る。“ ゲーテ

 

 

 

今回紹介した「高校生の勉強法」のリンクを貼っておきます。

本ではより詳しく解説してあるので、ぜひ読んでみてください。

(当ブログに収益は発生しません。)

 

最新脳科学が教える 高校生の勉強法 東進ブックス https://www.amazon.co.jp/dp/4890852425/ref=cm_sw_r_cp_tai_0zAmFbMFAWTY5

 

 

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天才の記憶方法

 

難しい勉強をしたらダメ!進化論から考える勉強のコツ!「高校生の勉強法」

難しい勉強をしてはいけません

 

「そんな訳ない」

「ラッキー」

 

そう思いましたか?

 

進化論から考えると難しいと感じる勉強は効果的ではありません。

難しい問題を頑張って解くより、わかりやすい問題から徐々にレベルアップさせていく方が近道なのです。

 

なぜなのでしょうか?

 

脳科学の研究者が書いた「高校生の勉強法」という本から、効果的な勉強法をわかりやすく解説します。

 

この記事は「高校生の勉強法」解説の第四段です。

 

  

<前回の記事>

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【目次】

 

 

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進化論から学ぶ学習方法

 

脳の基本的な性質

ダーウィンの進化論を知っていますか?

 

動物は進化して今の姿になっており、人間も元々は下等生物だったというものです。

 

ダーウィンによれば、植物を含めた全ての生き物は同じ起源を持っています。

 

脳も同じで、初めは小さい生き物の中で生まれて進化しました。

人間の脳に進化していくまでに「生きていくのに直接関係ない機能」もたくさんつきました。

 

それに比べ動物の脳は、より生命に重要な機能だけで成り立っています。

 

動物の脳を調べることで人間の脳の本質的な性質がわかるということです。

 

 

学習には失敗にめげない気持ちが大切

犬は学習が得意です。

「お手」や「お座り」を学ぶことができます。

 

どのようにして学んでいるのでしょうか?

 

ある実験があります。

犬の前にテレビとレバーを置きます。

テレビの画面に「丸い図形」が映ったときに、犬がレバーを押すとエサがもらえるような仕掛けです。

 

犬はテレビもレバーもわからないので最初は戸惑います。

しかし偶然レバーを押したときに美味しいエサが出てきます。

 

この偶然が何回か続くと犬は「レバーを押すこと」と「エサをもらえること」の関係に気づきます。

学習の第一ステップです。

 

学習とは物事の関連に気づくことだと言えます。

英単語の暗記にしても「go」と「行く」の結び付けを行うことが学習です。

 

「レバーを押すこと」と「エサをもらえること」の関係に気づいた犬はどんな行動を取るでしょうか?

 

エサが欲しくてレバーをひたすら押すようになります。

しかし画面に「丸い図形」が映っているときにレバーを押さないとエサはもらえません。

 

犬は何度も失敗を繰り返してその関連性に気づきます。

最終的にその関連を理解するまで何十回、何百回と試行錯誤を繰り返します。

 

最初に偶然エサが出てきただけでは、なぜエサが出てきたかはわかりません。

何回も何回も失敗して初めてその関連性を理解するのです。

 

あなたの学習においても同じです。

テストで悪い点を取ったりケアレスミスをすることを繰り返して、より正確な記憶として残ります。

 

問題が解けなかったりテストで悪い点をとってもクヨクヨする必要はありません。

学習に必要なステップなのです。

次はどうやったら正解できるか考え何度もトライしましょう。

 

犬から学ぶ、早く学習する方法

ある方法で犬は早く学習することができます。

その方法を使うと人間も早く学習できるに違いありません。

 

どのような方法なのでしょうか?

 

教える手順を分解するのです。

 

先ほどの実験は犬にとって難しく、何百回も失敗する犬もいます。

 

なぜでしょう?

 

エサをもらうためには「レバー」と「画面」の二つの要因があるからです。

「画面に丸い図形が映る」ときに「レバーを押す」という二つのことを同時に学ぶのは難しいのです。

 

そこで二つの手順を分解して犬に教えます。

 

まず画面に関係なく、レバーを押すとエサがもらえるようにします。

すると犬はレバーとエサの関連に早く気づきます。

 

次にエサと画面の関連を学習させます。

 

このように二つのステップに分けると、犬は10分の1くらいの失敗で学習するようになります。

 

あなたも学習に役立てましょう。

いきなり難しい問題に取り組むのではなく、確実に学習手順を踏むことで失敗の数が少なくなります。

 

ちょっとできたからと言って応用問題に手を出すのではなく基礎を確実に身につけてから応用問題を説いたほうが効果的だということです。

 

スポーツでも同じです。

いきなり試合をするより素振りやドリブルなどの基礎練習をしたほうが上達が早くなります。

 

もし数学が苦手で学力が小学校レベルだったら、高校生向けの参考書を使ってもなかなか理解できず成績は上がりにくいでしょう。

余計なプライドを捨てて小学生用の計算ドリルから始めた方が最終的な勉強時間は少なくすむのです。

 

 

まずは得意教科を伸ばす

犬の実験には続きがあります。

 

 「三角の図形」も混ぜてランダムで映すようします。

 そうすると犬は、丸も三角も区別せずにレバーを押します。

 

犬は画面がついたときにレバーを押せばいいと学習していたのです。

 

しかし「丸い図形」のときにしかエサが出ないようにしていると、それも学習します。

 「丸」と「三角」の違いを理解したということです。

 

このような実験を繰り返すと「円」と「楕円」の違いや「正方形」と「長方形」の違いも理解できるようになります。

 

そして重要なのが「円」と「楕円」の違いを学習した犬は「正方形」と「長方形」の違いを早く学習できるようになります。

 

ある図形の細かい部分が見えるようになると他の図形の細かい部分が見えるようになるということです。

 

人間でも野球が上手い人はソフトボールの上達が早く、英語をマスターした人はフランス語を楽に習得できます。

 

ある分野の理解の仕方を覚えると、他の分野に対する理解の仕方までが上達するのです。

 

全ての教科を均等に勉強するよりも、ひとつの科目を究めてから他の科目に取りかかった方が効果的なのです。

 

テスト前は仕方ないですが普段の学習では、まず得意科目を伸ばすようにしましょう。

 

 

基礎的な学習の仕方がわかりました。

これらを繰り返していると天才と呼ばれる人に追いつけるのでしょうか?

 

なかなか、あの人たちにかなう気はしません。

 

根本的に脳が違うのでしょうか?

 

次回の記事では天才の理由と、天才に近づく方法を解説します。

 

 

今回紹介した「高校生の勉強法」のリンクを貼っておきます。

本ではより詳しく解説してあるので、ぜひ読んでみてください。

(当ブログに収益は発生しません。)

 

最新脳科学が教える 高校生の勉強法 東進ブックス https://www.amazon.co.jp/dp/4890852425/ref=cm_sw_r_cp_tai_0zAmFbMFAWTY5

 

 

<参考文献>

池谷裕二,高校生の勉強法,株式会社ナガセ,2002.

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進化論から学ぶ勉強法ほう

 

 

少ない復習でも定着する方法とは!?脳科学から考えた学習!「高校生の勉強法」

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「覚えるコツが知りたい」

「効果的な復習方法はないかな」

 

と思っているあなた、

学習を定着させるために復習は大切です。

 

より効果的、効率的に復習をする方法を知りたくありませんか?

 

脳科学の研究者が書いた「高校生の勉強法」という本から、効果的な記憶方法を解説します。

 

この記事は「高校生の勉強法」解説の第三弾です。

 

<前回の記事>

tutorial-tailor.hateblo.jp

 

 

 

効果的な記憶方法とは?(復習)

物事を記憶するかどうかは脳の海馬という部分が決めています。

判断基準は「生きていくために必要か」です。

 

英単語などは本能的に必要と判断されません。

しかし何回も記憶し直すことで、海馬は生きるために必要な情報と判断するようになります。

 

したがって学習において、復習が非常に大切です。

 

 

復習が必要な詳しい理由

何回も記憶し直すとなぜ記憶できるようになるのでしょうか?

 

感覚的には理解できますが、脳科学的な視点で解説をします。

 

「高校生の勉強法」解説の第一弾でも説明しましたが、脳の機能は神経細胞が作り上げています。

「高校生の勉強法」。覚えたことを忘れるのはなぜ?長い間覚えておくためには! - 受験の仕組みカンタン解説

 

脳の海馬に電極を刺して繰り返し刺激するという実験があります。

どうなるでしょう?

 

神経細胞同士の結びつきが強くなるのです。

時間が経っても結合は強いままです。

 

繰り返し刺激を与えることで神経細胞は活性化されるということです。

 

これは長期増強(LTP:long-term potentiation)と呼ばれています。

 

学習においては、復習をすることで繰り返しの刺激が脳の海馬に与えられ、記憶として定着します。

 

LTPを起こすためには何度も何度も繰り返して刺激することが大切です。

 

次章では繰り返し回数を少なく済ませる方法を解説します。

 

 

効率的な復習方法

脳科学の観点から、LTPを起こすため復習が必要であることがわかりました。

 

では効率的に復習する方法はないのでしょうか?

 

二つの秘訣をお教えします。

 

好奇心を持つ

LTPを起こすための秘訣の一つは好奇心を持つです。

 

脳科学的にはシータ波という脳波が出ている状態だとLTPが起きやすくなります。

シータ波は好奇心の象徴で、初めてのものに出会ったり、道の場所に来たりすると自然に脳に生じます。

 

シータ波が出ていると少ない回数の刺激でLTPが起こります。

うまく刺激すると、繰り返す回数が5分の1から10分の1に減らすことができます。

 

興味を持っていることは復習回数が少なくても覚えられるということです。

 

あなたも初体験の出来事や好きなアーティストの趣味などはよく覚えていませんか?

 

勉強をつまらないと思っていると復習の回数が余分にかかります

これでは続けられませんし、覚えられもしません。

 

世の中のことは、どんなことでも奥深いものです。

外からぼんやり眺めている他人には、そのおもしろさが分かりません。

 

あなたの趣味や好きな人のことを、何も知らない人から「つまらない」と言われたらどう思いますか?

 

「よく知ってから判断しろ」

「最初から否定的に見るな」

となりますよね。

 

勉強を初めからつまらないものと考えるのではなく、おもしろさを探してみましょう。

 

勉強するのが楽しくなりLTPも起こって、いいことだらけなのです。

 

 

感情移入する

LTPを起こりやすくする秘訣のもう一つは感情移入するです。

 

脳科学的には扁桃体という脳の神経細胞を活動させるとLTPが起きやすくなります。

扁桃体は感情を生み出しています。

 

感情が盛んなときには物事が覚えやすいということです。

 

あなたが昔のことで覚えていることは、楽しかった行事や悲しかった事件など感情が絡んでいることではないですか?

 

例えば「1815年、ナポレオンはセントーヘレナ島に流された」ということは丸暗記するのではなく、感情を交えて覚えましょう

数々の作戦に失敗したナポレオンの無念さを実際に思い浮かべ、島流しの刑を自分が受けているように嘆かわしく思えば、脳は自然に記憶しようとします。

 

LTPを起こすシータ波(興味)と扁桃体(感情)という二つの秘訣を適切に使って勉強することが効率よく学習できるコツです。

 

 

脳の性質を使った勉強方法はまだまだあります。

今回は感情など、より人間的な部分について解説しました。

 

あなたの脳には動物的な部分も多くあります。

次の記事では動物の脳が持っている基本的な性質から最適な学習方法を考えます。

 

 

今回紹介した「高校生の勉強法」のリンクを貼っておきます。

本ではより詳しく解説してあるので、ぜひ読んでみてください。

(当ブログに収益は発生しません。)

 

最新脳科学が教える 高校生の勉強法 東進ブックス https://www.amazon.co.jp/dp/4890852425/ref=cm_sw_r_cp_tai_0zAmFbMFAWTY5

 

 

<参考文献>

池谷裕二,高校生の勉強法,株式会社ナガセ,2002.

 

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効率的な復習方法

 

脳科学から考える効果的な記憶方法!忘れやすくなる方法で記憶してない?「高校生の勉強法」

「私は記憶するのが苦手」

「覚えてもすぐ忘れる」

 

そう思っているあなたへ、

あなたも勉強が得意な友達も、忘れる速度は一緒だと知っていましたか?

 

脳科学の研究者が書いた「高校生の勉強法」という本から、効果的な記憶方法を解説します。

 

この記事は「高校生の勉強法」解説の第二弾です。

 

<前回の記事>

tutorial-tailor.hateblo.jp

 

 

【目次】

 

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覚えやすい記憶方法


 

なぜ忘れるのか?(復習)

勉強内容を覚えられなかったり、覚えたつもりでもすぐ忘れるのはなぜでしょうか?

 

それは脳がパンクしないように必要な情報不必要な情報を仕分けしているからです。

 

必要かどうかの判断基準は生きるために必要かです。

英単語などは生きるために必要ないと判断されるため、なかなか覚えられません。

 

勉強内容を覚えるためには脳をダマして、生きるために必要だと思わせる必要があります。

 

具体的にはどうすればいいのでしょうか?

 

記憶がなくなるまで

人によって忘れる速度は違いません。

 

ドイツの心理学者エビングハウスが100年以上前に行った有名な実験から明らかになっています。

 これは無意味な単語をどのくらい覚えられるかという実験です。

 

書籍「高校生の勉強」では、あなたも挑戦できるテストが載っているので、ぜひチャレンジして見てください。

 

この実験では単語を忘れる速度は人によって違わないということがわかっています。

 

また、この実験では単語が時間と共にどのように忘れられていくかがわかりました。

 

忘却曲線と呼ばれています。

 

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忘却曲線

時空先生のドリルプリントより、
https://www.jikuukan.ac/web/guide/aex1.php

 

グラフを見ると、忘れていくのは一定の速度でないことがわかります。

覚えた直後が一番忘れやすいです。

 

そこで残った記憶は長持ちするようで、ゆるやかに忘れていきます。

 

これが一夜漬けの勉強をすぐ忘れてしまう理由です。

 

 

忘れるのが早くなる覚え方

誰でも忘れる速度が同じというのは信じられませんよね。

覚えるのが得意な人と苦手な人の違いはなんでしょうか?

 

実は効果的な覚え方と効果的でない覚え方があります。

覚えることの得意・不得意は能力の差ではなく覚え方の差だということです。

 

具体的にはどのような方法でしょう?

 

この章では忘れやすい覚え方を教えします。

 

忘れるのが早まる一番大きな原因は新しい記憶を追加することです。

無理に知識を詰め込もうとすると忘れやすくなるということです。

 

最初に覚えようとしたことだけでなく、新しく覚えたことも忘れやすくなります。

 

必要以上に情報を詰め込むと覚えが悪くなるということです。

 

これは記憶の干渉と呼ばれるものです。

 

記憶とは独立しているのではなく、お互いに影響し合っています。

お互いに結びつけ合うこともあれば、排除し合うこともあります。

 

不用意に大量の知識を詰め込もうとすると記憶が曖昧になったり混乱したりします。

 

古文の授業で、

「明日までに百人一首を全部覚えてこい、テストする」

と言われたら、全部覚えようとするより30個に絞って覚えたほうがいい点が得られます。

 

普段の勉強でも、1日に新しい知識を詰め込むのはやめましょう。

 

 

忘れにくくなる方法

忘れやすい記憶方法はわかりました。

では忘れにくくなる方法はなんでしょうか?

 

それは繰り返すことです。

 

当たり前だと思いましたか?

 

それが科学から考えた効果的な方法なのです。

理由はわかりますか?

 

英単語を覚えても、いつかは全て忘れます。

 

完全に脳から消え去ったのでしょうか?

また最初からやり直しなのでしょうか?

 

そんなことはありません。

 

全く同じ単語を暗記し直しましょう。

そうすると前回よりも長く覚えられるようになります。

 

2回目に覚えた単語をまた忘れても、3回目に覚え直したらもっと忘れにくくなります。

 

忘れるということは、記憶が脳に残っているのに引き出せないということです。

何回も繰り返すことで引き出しやすくなるのです。

 

勉強においては復習がとても大切だということがわかります。

 

ではどのタイミングで復習をするのが効果的なのでしょうか?

 

忘れていても記憶が脳に残っていると書きましたが、保存期間があります。

それは1ヶ月です。

 

最低でも1ヶ月以内に復習をしないと、効果がかなり薄くなります。

 

脳科学から考えた最も効果的な復讐のプランは次のようになります。

 

1回目:学習した翌日

2回目:1回目の復習から1週間後

3回目:2回目の復習から2週間後

4回目:3回目の復讐から1ヶ月後

 

これ以上やる必要はありません

2ヶ月のうちに4回の復習です。

 

むやみに復習をするくらいなら、その時間を他の勉強に使いましょう。

 

復習の効果は同じものに対して起こります。

 同じ科目でも参考書が変われば最初から覚え直しになります。

同じ参考書を何度も繰り返すのが効果的な方法です。

 

 

眠る必要性

「寝る間を惜しんで勉強する」というと、勉強する人の鏡のように思えます。

 

そんなに頑張れませんか?

 

頑張る必要はありません。

脳科学から考えると、新しい知識を身につけるときは6時間以上眠ることが欠かせません。

 

なぜ眠らないといけないのでしょうか?

 

夢を見ている間、脳の一部である海馬は盛んに働いています。

夢は記憶の再生です。

 

夢で見るような変な記憶をした覚えはないですか?

 

それは複数の記憶の断片が組み合わさって夢ができているからです。

睡眠中に様々な情報を組み合わせ、整理しているのです。

 

眠らないということは海馬に整理する時間を与えないということです。

整理できない情報はすぐに廃棄されてしまいます。

 

寝るというのは覚えたことを保つために必要な行為です。

 

学習の基本は「覚えられる範囲だけを確実に覚え、あとは寝る」ということです。

 

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覚えやすい記憶方法

 

 

覚えやすくする方法はまだまだあります。

それは次回の記事で紹介します。

 

 

今回紹介した「高校生の勉強法」のリンクを貼っておきます。

ためになる本なのでぜひ読んでみてください。

(当ブログに収益は発生しません。)

 

最新脳科学が教える 高校生の勉強法 東進ブックス https://www.amazon.co.jp/dp/4890852425/ref=cm_sw_r_cp_tai_0zAmFbMFAWTY5

 

 

<参考文献>

池谷裕二,高校生の勉強法,株式会社ナガセ,2002.

 

 

「高校生の勉強法」。覚えたことを忘れるのはなぜ?長い間覚えておくためには!

「英単語が覚えられない。」

「歴史が頭に入らない。」

 

あなたにはそういった悩みがありませんか?

 

そもそも記憶とはなんでしょうか?

どうして忘れてしまうのでしょうか?

 

脳科学の観点から勉強法を考えた「高校生の勉強法」という本をわかりやすく解説します。

 

中学生まで得意だった丸暗記ができなくなったのは、脳の得意な分野が変わったからです。

歳をとるにつれて論理だった記憶能力が発達します。

 

このとき効率的な勉強方法はどんなものなのでしょうか?

 

今回の記事ではそもそも記憶とは何かを解説します。

 

 

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高校生の勉強法、記憶の正体

 

【目次】

 

 

記憶とは

そもそも記憶とはなんでしょうか?

 

記憶の正体は「新たな神経回路の形成」です。

人間の脳の中には1000億個もの神経細胞があり、それぞれがつながって神経回路を作っています。

 

新しい体験をすると、今までになかった神経回路が刺激され、記憶として残ります。

 

人間の脳には短期記憶長期記憶があります。

名前の通り短期記憶は短い間だけ記憶でき、長期記憶は長い間記憶できます。

 

長期記憶はたくさんの情報を記憶することができます。

しかし記憶するだけではダメで必要なときに取り出さないといけません。

 

このとき使われるのが短期記憶です。

 

短期記憶とは長期記憶から情報を引き出したり、長期記憶に情報を保存したりするための一時的な保管場所です

 

「あなたの小学生の頃を思い出して」と言われると頭の中にイメージできます。

しかし言われるまでは小学生の頃のことなんて考えてなかったはずです。

 

イメージできていなくてもどこかに記憶されています。

これが長期記憶です。

小学生の頃を思い出しているときは長期記憶から短期記憶に取り出された状態です。

 

記憶を脳に長期間たくわえるためには短期記憶を経由しなければなりません。

 

短期記憶は覚えられる量も少なく忘れやすいと言う欠点があります。

 

ヤカンでお湯を沸かしている時に友達から電話がかかってきて盛り上がると、ヤカンのことは忘れてしまいます。

ヤカンは一時的な記憶で短期記憶に保存されているだけだからです。

 

長期記憶を作るには短期記憶の使い方が鍵になります

 

なぜ忘れるの?

人間はなぜ忘れるのでしょうか?

全て覚えておけば暗記に苦労することはありません。

 

脳の記憶できる容量はそれほど多くありません。

今あなたが見たり聞いたりしている全ての情報を入れると5分ほどでパンクすると言われています。

 

だから「必要な情報」と「必要でない情報」の仕分けをします。

 

この仕分けをするのが脳の海馬という場所です。

海馬はタツノオトシゴという意味でそのような形をしています。

 

海馬が「必要な情報」と判断すると長期記憶になります。

 

しかし簡単には「必要な情報」と判断されません。

判断基準は生きていくために必要な情報かどうかだからです。

 

英単語は、「嫌な匂いのするものを食べたら食中毒を起こす」という情報に比べて、生きていくために必要と判断されにくいです。

 

また脳は人間が消費するエネルギーの25%を使います。

脳の重さは体重の2%ということを考えるとかなりエネルギーを消費することがわかります。

 

したがって無駄なエネルギーを使わないよう、余計な情報は覚えないようにしています。

 

これらの理由から、人間は簡単に記憶できないことがわかると思います。

 

海馬に「必要な情報」と判断してもらうにはどうしたらいいでしょうか?

 

それは、できるだけ情熱を込めて何度も何度も情報を送り続けることです。

 

そうすると海馬は「こんなに同じ情報が来るということは重要な情報に違いない」と判断します。

 

忘れたらまた覚えて、また忘れたら再び覚え直すということです。

 

結局、何度も復習をするというのが学習の基本なのです

 

そんな中でも覚える際のコツというのはあります。

頭がいい人はこれを行なっています。

 

その内容は次回の記事で書かせていただきます。

 

 

今回紹介した「高校生の勉強法」のリンクを貼っておきます。

ためになる本なのでぜひ読んでみてください。

(当ブログに収益は発生しません。)

 

最新脳科学が教える 高校生の勉強法 東進ブックス https://www.amazon.co.jp/dp/4890852425/ref=cm_sw_r_cp_tai_0zAmFbMFAWTY5

 

 

<参考文献>

池谷裕二,高校生の勉強法,株式会社ナガセ,2002.

 

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高校生の勉強法、記憶の正体